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2025年04月08日
本日、2025年度入学式が挙行されました。

ご入学おめでとうございます。

本日、新高第80回生 入学式が挙行されました。

               2025年度 入学式 式辞

 4月になっても肌寒い日が続いたこともあり、桜の花が入学式まで待ってくれていたかのように残り、そして迎えた春のよき日に、校友会会長西川亨様を始め、多数のご来賓の方々のご臨席を賜り2025年度の入学式を挙行出来ますことを心より感謝申し上げます。新入生292名の皆さん「鎮西学院高等学校、新高第80回生としての入学を許可いたします。」ご入学、誠におめでとうございます。また、ご家族の皆さまにおかれましても、お子さまの新たな門出を心よりお祝い申し上げます。皆さんを本校にお迎えできますことを教職員一同、心から歓迎申し上げます。

 本校は1881年、アメリカ人宣教師CSロング博士によって長崎市にカブリー英和学校として創立され、今年で創立144年を迎えるミッションスクールです。その歩みの中で、1945年には原子爆弾の投下により、当時長崎市内にあった校舎は壊滅、多くの生徒・教職員の命が奪われ、諫早に教育の場を移しました。今年の夏、長崎は被爆80年を迎えます。皆さんが新高80回生と呼ぶのは、そういうことです。被爆後80回目の入学生が皆さんです。創立以来、幾多の困難を乗り越え、創立者の精神を受け継いだ多くの立派な先輩方が世の中に出て、幅広い分野で活躍しています。建学の精神である「キリスト教主義によるこころの教育」は144年経った今でも変わりありません。これが、数ある高等学校の中で、鎮西学院が他の公立高校や県央私学と異なる最も大きな点の一つです。

 ですから、私たちは皆さん生徒全員を「神様から与えられた賜物」として大切に育てて参ります。人はみな、それぞれ個性、つまり才能や特性を持って生まれてきます。数学は苦手でも英語が得意な子、瞬発力はなくても持久力はある子、人前で話すのは苦手だけれど文章を書くのは得意な子、人と交わることは苦手だけれど一人で黙々と取り組むことは得意な子、など様々です。ひょっとしたら自分は苦手な事ばかりで得意なことはあまりないと思っている人もいるかも知れません。しかし、皆さんは神様からそれぞれ異なる才能を与えられて生まれてきています。私自身、英語は苦手だけれど数学は得意な子、運動は得意ではないけれど応援することは好きな子でした。苦手なことや嫌いなことを、得意なよう好きなようになってもらうことは教育の一つかも知れません。いや、良くない面が良くなるように教育することが学校の務めでもあるでしょう。人はついつい、良くない面に目が行き、そういう目で人を見てしまうことがあります。しかし、私たちはみなさんの良い面に目を注ぎ、神様から与えられた賜物を伸ばす教育を行って行くことをお約束します。

 さて、新入生のみなさんへ、入学に当たって私からお伝えしたいことをいくつかお話しさせて頂きます。皆さんは、自らの意思で鎮西学院高校を選び、入学を決意されたことでしょう。しかし、先ほど宗教主事に読んで頂いた、新約聖書マタイによる福音書15章では私たちにこう語りかけます。「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。」 すなわち、皆さんがここにいるのは偶然ではなく、神の導きの中で選ばれた存在であるということです。今から3000年以上昔、古代イスラエルの人たちは奴隷状態であったエジプトから脱出したものの一向に生活は良くならず、長い間、救い主の誕生を心待ちにしていました。そんな中、イエスの12弟子たちは、長年待ち望んでいた救い主である主イエス・キリストからこの言葉をかけられ、大いに勇気づけられました。これは今に生きる私たちへも語られています。

 「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。」これは、皆さんだけではなく、私たち教職員もまた、イエスによって選ばれたものだということです。これは、単なる試験による選抜・合格といったものではなく、尊い人格として私たちが選ばれた。必要な存在として選ばれている。ということです。私自身、大阪生まれの福岡育ちの人間です。高校生の頃にはよもや長崎のミッションスクールで30年以上働くことになるとは思ってもみませんでした。喜びです。神様に導かれ、選ばれ、鎮西学院の一員になったことを感謝せずにはおられません。皆さんも、その誇りとプライドを持って学校生活を送ってもらいたいと思います。

 また、創立者のロング博士は「Be a Christian Gentleman」という言葉を残されました。当時は男子校として創立されたのでジェントルマンです。日本語で「品性高潔なるクリスチャンジェントルマンの育成」と訳し、鎮西学院の建学の精神です。皆さんには品があり、嘘が無い、汚れの無い清らかな心を持った人になってもらいたいと願っています。品があるとは、礼儀や言葉遣い、身だしなみや振る舞い、自分の意見をはっきり主張できるけれども他者の意見にも耳を傾けることが出来る人間の事を言います。そしてそれに留まらず、聖書の言葉や価値観に共感し、それらを実践していく人物のことを指します。

 鎮西学院では、毎日礼拝の時間を設けています。月水金週3日の朝はこの講堂で、火木はHRで。讃美歌を歌い、聖書を読み、その聖書に書かれている言葉について学びます。決してクリスチャンになれと言っているわけではありません。もちろんそうなってくれれば嬉しいですが、イエスが遺した多くの言葉の一つでもいいので共感し、好きな聖書個所、心の支え、拠り所となる言葉を見つけて3年間を過ごして欲しいと願っています。

 保護者の皆様方、改めまして本日は真におめでとうございます。先ほども申し上げましたが、お子様を神様からの大切な賜物としてお預かりします。同時に、3年後には立派で自立した成人として送り出す責任があります。自ら考え、自ら行動するたくましい若者に育つことは親と教師の共通の願いです。

 私は今年度から学校長を任されておりますが、この3月で定年退職された前学校長の川﨑健先生が、教頭時代から言われていた教職員の合言葉に「Students First!」という私も好きな言葉があります。これは、教師が、自分の面子や建前よりも生徒の思いを優先し本音で語り合える関係を作ろう!というもので、私も先週4月1日の仕事始めの朝会で、全教職員に伝えた言葉でもあります。最近は、教師の労働時間や職務内容が問題視される世の中ではありますが、判断に迷ったとき、「Students First!」を心に留めれば答えはおのずと出てきます。ですから、勉強や部活動指導、進路指導、悩みの相談など生徒のためであると思うなら時間を割き、苦労を厭わない教師でありましょう!と伝えています。

 近年はハラスメントという言葉の認知が広がり、教育界でも厳しい指導に二の足を踏むことが多くなってきました。しかし、生徒のためと思えば叱るときはしっかりと叱る姿勢は忘れてはならないと思っています。一時的に理解してもらうことが難しかったとしても子どもたちの将来、5年後、10年後を見据えた教育をして参ります。もし、私たちの指導方法に疑問を持たれた場合は、遠慮なくご相談下さい。保護者の皆様方と、同じ方向を向いてお子様の成長に向かって歩んで行けたらと願っています。皆さまとの出会いに感謝し、新入生のこれから3年間の学校生活が、充実した実りあるものとなりますことを祈念申し上げ、私の式辞といたします。

                    2025年4月8日 鎮西学院高等学校 校長 齋藤州澄